くるみん認定の基準改正、中小企業はどう対応すべき?

人事労務に関するFAQ

くるみん認定の基準改正、中小企業はどう対応すべき?

目次

この記事でわかること

  • くるみん認定とはどのような制度で、基準がどう変わったのか
  • 認定を取得することで中小企業が得られるメリット
  • 経過措置期限を踏まえた実務上の優先順位
  • 認定取得・維持に向けた具体的な準備ステップ

結論

次世代育成支援対策推進法の改正により、2025年4月1日からくるみん認定の認定基準が引き上げられ、男性労働者の育児休業等取得率の基準値が、くるみんで10%以上から30%以上へ引き上げられたとされています。旧基準での申請ができる経過措置は2027年3月31日までとされており、認定取得・更新を検討している中小企業は、期限を踏まえた準備が必要です。

くるみん認定とはどのような制度か

くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づき、仕事と子育ての両立に関する行動計画を策定・実施し、一定の基準を満たした企業が厚生労働大臣から受けられる認定制度です。認定にはトライくるみん・くるみん・プラチナくるみんの段階があり、男性労働者の育児休業等取得率や、女性労働者の継続就業率など、複数の基準を満たす必要があります。

2025年4月1日からの基準改正では、男性労働者の育児休業等取得率の基準値が、トライくるみんで7%以上から10%以上へ、くるみんで10%以上から30%以上へ、プラチナくるみんで30%以上から50%以上へ、それぞれ引き上げられたとされています。従来の基準での申請は2027年3月31日までの経過措置期間内に限り可能とされていますが、正式な基準値・経過措置の詳細は本記事作成時点で厚生労働省の一次情報本文を直接確認できていないため、公開前にご確認ください。

なぜ中小企業の実務で重要なのか

くるみんマークは求人広告等に掲示でき、就職活動中の学生や転職希望者に対するイメージアップ効果が期待できるとされています。人手不足が続く中小企業にとって、限られた採用予算の中で自社の魅力を発信する手段として、くるみん認定は有効な選択肢の一つです。また、プラチナくるみん認定を取得した大企業には賃上げ促進税制の控除率上乗せが適用されるとされていますが、これは大企業向けの措置であり、中小企業への直接の税制メリットは本記事作成時点で確認できていません。中小企業にとってのメリットは、採用ブランディングと公共調達での加点評価が中心になると考えられます。

実務上起こりやすい課題

  • 基準が引き上げられたことを知らず、旧基準を前提に育休取得率の目標を設定してしまう
  • 男性労働者の絶対数が少ない中小企業では、育休取得率の分母が小さく、1人の取得有無で達成率が大きく変動する
  • 行動計画の策定・届出といった事務手続きの負担をどう分担するか決まっていない
  • 経過措置期限(2027年3月31日)までに申請すべきかどうかの判断がつかない

課題別の対応策

自社の育休取得実績の確認

過去数年分の男性労働者の育児休業等取得率を確認し、新基準(くるみんで30%以上等)との乖離を把握します。従業員数が少ない企業では、対象となる男性労働者の人数自体が少ないため、今後の育休取得の見込みも含めて確認します。

取得を後押しする制度の整備

男性の育児休業取得を促すため、取得を前提とした業務の引き継ぎ体制や、上司から積極的に取得を勧める社内の雰囲気づくりを進めます。育休中の業務代替への対応も、あわせて検討します。

経過措置期限を踏まえたスケジュール検討

旧基準での申請を目指すのか、新基準を満たしてから申請するのかを、自社の育休取得実績の見込みを踏まえて判断します。

具体的な対応ステップ

  1. 自社の男性労働者の育児休業等取得率の実績を確認する
  2. 厚生労働省の最新情報で、新基準の具体的な数値と経過措置の期限を確認する
  3. 新基準達成に向けた育休取得促進の取り組み(業務代替体制の整備等)を検討する
  4. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・見直しする
  5. 認定申請のスケジュールを検討し、都道府県労働局に相談する

くるみん認定の段階

認定区分位置づけ
トライくるみんくるみんの前段階に位置づけられる認定区分
くるみん基本の認定区分
プラチナくるみんくるみんよりも高い基準を満たした企業向けの上位認定区分

各区分の具体的な基準値は改正により変更されているため、最新の内容は厚生労働省の公式情報でご確認ください。

注意点・法的リスク

くるみん認定の取得は法律上の義務ではなく、企業が任意に申請する制度です。一方で、一般事業主行動計画の策定・届出自体は、常時雇用する労働者数が101人以上の事業主には法的な義務があり、100人以下の事業主は努力義務とされています(次世代育成支援対策推進法)。認定の有無にかかわらず、自社の行動計画策定義務の有無を正しく把握しておく必要があります。認定基準の詳細な数値は、公開前に必ず厚生労働省の一次情報でご確認ください。

中小企業ならではの対応方法

男性労働者の人数が少ない中小企業では、育休取得率という指標が1人の取得有無で大きく変動しやすい特徴があります。無理に新基準の達成を急ぐのではなく、まずは育休を取得しやすい職場の雰囲気づくりや業務の属人化解消を進め、結果として取得率が向上するという順序で取り組むことが、中小企業にとって現実的な進め方です。

まとめ

くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法の改正により2025年4月1日から基準が引き上げられ、旧基準での申請ができる経過措置は2027年3月31日までとされています。中小企業は、自社の育休取得実績を確認し、採用ブランディングの観点も踏まえながら、認定取得・維持のスケジュールを検討することが重要です。

HRCへの相談案内

くるみん認定の取得を目指す取り組みは、単に育休取得率の数値を追うだけでなく、「育児と両立しながら働き続けられる評価制度・キャリアパスをどう設計するか」という人事制度全体の課題と関わっています。行動計画の策定や取得率向上の取り組みを、既存の等級制度・評価制度とどう整合させるかは、自社だけで判断するのが難しい場合があります。

まずは自社の育児支援制度・評価制度の現状を確認する「制度分析」から始めるのか、両立支援を組み込んだ人事制度の設計から着手するのかは、企業ごとの状況によって異なります。有限会社ヒューマンリソースコンサルタントでは、中小企業の人事制度の設計を支援しています。自社の状況に合わせた進め方について相談したい場合は、お問い合わせページよりご連絡ください。

関連するよくある質問

くるみん認定の取得は義務ですか。

認定の取得自体は任意です。ただし、一般事業主行動計画の策定・届出は、常時雇用労働者数101人以上の事業主には法的義務、100人以下の事業主には努力義務とされています。

従業員数の少ない中小企業でも取得できますか。

企業規模による申請自体の制限はないとされていますが、育休取得率等の基準を満たす必要があるため、自社の実績を踏まえた検討が必要です。

旧基準と新基準、どちらで申請すべきですか。

経過措置期間内(2027年3月31日まで)であれば旧基準での申請も可能とされていますが、自社の育休取得実績の見込みを踏まえて判断する必要があります。詳細は労働局にご確認ください。

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公的情報源・参考資料

本記事の内容は2026年9月12日時点で確認できた二次情報に基づいています。認定基準の具体的な数値・経過措置の詳細は、公開前に必ず厚生労働省の一次情報でご確認ください。

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