テレワーク(リモートワーク)に適した人事評価方法は?人事評価制度の課題と対策
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テレワーク(リモートワーク)に適した人事評価方法は?人事評価制度の課題と対策
さまざまなメディアで取り上げられて働き方改革や新型コロナウイルスの影響もあり新しい働き方として定着しつつあるテレワーク(リモートワーク)ですが、人事評価の面から考えると従来の制度と運用だとさまざまな問題が発生するため、その見直しが求められています。そこで今回はテレワークと人事評価についてまとめてみました。
テレワーク(リモートワーク)とは
テレワークは英語で「telework」と表記されます。「Tele=離れた」と「Work=働く」を合わせた(オフィスから)離れたところで働くという意味の造語で、情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用して時間と場所にとらわれない柔軟な働き方をすることです。
テレワークには働く場所によって 3種類あって、自宅で働く在宅勤務、移動中や出先で働くモバイル勤務、サテライトオフィスやコワーキングスペース等で働くサテライトオフィス勤務、があります。
テレワーク(リモートワーク)が普及した背景と社会情勢
テレワークが普及した背景を一言で表現すると新型コロナウイルス感染症拡大による社会情勢の変化ということになります。
これまでに欧米諸国と比較して日本でテレワークが普及しなかった理由としては、日本企業が物理的な空間/時間を共有することを重視していたこと、欧米のジョブ型雇用と違い日本ではメンバーシップ型雇用を実施している会社が多いこと、が挙げられますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止による外出自粛や緊急事態宣言などの政府からの呼びかけにより、日本企業においてもテレワークの導入が進み始めています。
テレワーク(リモートワーク)のメリットとデメリット
テレワークを導入することで企業にはさまざまなメリットが期待されますが同時にデメリットもありますので、導入を検討する際にはメリットとデメリット両方についてよく考える必要があります。
テレワークを導入するメリット
1.優秀な人材の確保
多様な働き方を求める人が増えてきた現代において、テレワークを導入しているというだけで魅力的な職場環境に見られます。特に優秀な人材はワークライフバランスを重視しているため、テレワークを導入することで優秀な人材の確保を期待することができます。
2.コスト削減
従業員が出社しなくなるため、通勤交通費・オフィス維持費・印刷コストなどを削減することができます。
また、社員個別の机を置かずフリーアドレス制にすることでワークスペースの削減にもつながります。
3.従業員の離職率低下と定着率の向上
育児中の従業員や介護が必要な家族がいる従業員は仕事との両立をあきらめて離職する人が多いのが現状ですが、テレワークや時短勤務を取り入れた柔軟な働き方を可能にすることで、離職せず継続して働いてもらうことができます。
4.事業継続性の確保
地震などの自然災害や感染症の流行などでオフィス勤務が難しい場合に、テレワークを導入しておくことで在宅ワークやモバイルワークで事業を継続することができます。
5.資料のデジタル化と業務改善
テレワークを導入すると紙ベースでの資料のやり取りや共有が難しくなるため、自然とクラウドサービス等を活用したデジタル化が進みます。また、それに伴って業務プロセスの見直しや効率化を図ることができ、業務改善につながります。
テレワークを導入するデメリット
1.労務管理・勤怠管理が複雑化する
テレワークになると基本的には従業員はオフィスに出勤しなくなるので、従業員がどれくらいの時間働いたのかを把握し管理することが難しくなり、それを把握するためのツールや体制を見直して新たな構築する必要があります。
2.セキュリティリスクが高まる
テレワークではクラウドサービスなどのツールを活用することが前提になり、端末をオフィス外に持ち出して作業することになるため、それを踏まえた上でのセキュリティ対策を講じる必要があります。
3.コミュニケーションが少なくなる
テレワークを導入すると従業員がそれぞれ違う場所で働くため顔を合わせてのコミュニケーションが少なくなり、報告連絡相談がスムーズに進まなかったり雑談などのコミュニケーションが難しくなります。
4.従業員の仕事環境が整っていない
効率良くスムーズに仕事をするためには高速なインターネット環境やオフィス機器が必要になりますが、従業員が自宅で仕事する場合、快適な環境が整っていないことがあります。
テレワーク(リモートワーク)での人事評価が難しい理由
テレワーク下における人事評価については、さまざまな会社が出している調査結果において「オフィスに出社してるときより難しい」という回答の割合がとても多いですが、実際にテレワークを導入されている会社の経営者や管理職の方はそれを実感されていると思いますし、そうでない会社に勤務していたとしても想像に難くないのではないでしょうか。
テレワークでの人事評価が難しい理由はいろいろありますが大きくは
- 勤務態度が見えない
- 勤務時間を正確に把握しにくい
- 成果につながる行動が把握できない
という三つが挙げられます。
また、それだけでなく、リモートワークになって対面でのコミュニケーションが減ると、報告連絡相談が滞るなどコミュニケーションの質と量が下がり、業務に支障が出る可能性も高くなります。
これまでは目の前で仕事する部下を実際に見ることでいろいろなことを把握することができましたが、テレワークではそうはいかなくなります。故にテレワークでの人事評価は難しいのです。
テレワーク(リモートワーク)での人事評価の課題と問題点
オフィス勤務では部下の仕事ぶりを目の前で見て勤務態度等を把握することができましたが、テレワークではそうはいきませんので、オフィス勤務を前提とした人事評価だといろいろな課題や問題点が発生します。
- 勤務態度の評価が難しい
- 労務管理の手続きが滞って遅延する
- 評価方法や評価基準があいまいでばらつきがある
- 評価プロセスが遅延する
- コミュニケーションの偏りや不足
テレワークにおける人事評価ではこれらの課題や問題点を解消する制度やルール、運用を考える必要があります。
テレワーク(リモートワーク)での人事評価のポイント
クラウドサービスなどのITツールを導入する
テレワーク下においては、業務における資料のやり取りや情報共有、人事労務などさまざまな面でデジタル化を進めていく必要がありますので、クラウドサービスなどITツールの活用が不可欠となります。人事評価においてもクラウドサービスを活用することで評価の情報を一元管理することができ、スムーズに評価プロセスを進めることができます。
コミュニケーションを工夫する
テレワークではオフィス勤務のとき以上に意識的に積極的にコミュニケーションを行うような制度やルールを構築することが必要です。チャット、電話、Web会議ツール、対面それぞれを状況に応じて臨機応変に使い分けることが効果的です。
テレワーク(リモートワーク)に適した人事評価制度とは
評価項目を明確にして全社に共有する
評価項目を明確にする際は、オフィス勤務を前提とした評価項目ではなくテレワークの実態に合わせた評価項目を設定することが重要で、その評価項目を全社に周知して共有します。
目標管理制度を導入する
評価項目を明確にする際は目標管理制度(MBO)を導入することが有用です。目標管理制度では従業員が自主的に目標を設定して実行するのですが、その目標は会社の目標とリンクしたものを設定するので、従業員がやらされてる感なく主体的に行動したことが事業の業績アップにつながります。また、事前に上司と部下との打ち合わせで設定した取り組み内容に対して評価を行うので、テレワークでも適正な評価を行うことができます。
業務プロセスと成果とのバランスを取る
テレワークになると業務プロセスが見えづらいため成果のみで評価しがちですが、完全成果主義で評価すると従業員のモチベーションダウンにつながる可能性が高くなります。また、数値で成果が見えない職種の場合だと評価することがが難しくなるので、成果だけでなく業務プロセスの評価をバランス良く取り入れて、適正な評価を行うことができる評価項目を設定することが大事になります。
まとめ
このページでは「テレワーク(リモートワーク)に適した人事評価方法は?人事評価制度の課題と対策」についてお伝えしてきました。
- テレワーク(リモートワーク)とは
- テレワーク(リモートワーク)が普及した背景と社会情勢
- テレワーク(リモートワーク)のメリットとデメリット
- テレワーク(リモートワーク)での人事評価が難しい理由
- テレワーク(リモートワーク)での人事評価の課題と問題点
- テレワーク(リモートワーク)での人事評価のポイント
- テレワーク(リモートワーク)に適した人事評価制度とは
これからの日本においては海外と同様に、テレワーク(リモートワーク)が一つの働き方として定着していくものと思われますので、それを踏まえたテレワークに適した人事評価制度の整備と導入が不可欠です。
自社にはどのような制度が合っているのか、どのように制度の見直しを行えば良いのか、専門家の活用を検討するのも一つの手だと思います。
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