社員に開示できる退職金制度を設計する!

2021年9月14日① 人事コンサルタントの業務日報

本日は、午前1社、午後2社のトリプルヘッダー!全てオンラインだからこそ可能なスケジュールです。
オンライン化するとスケジュールが密になるという話しは本当ですね。。。

その中の1社で人事制度設計、導入コンサルティングをきっかけにお付き合いをしているクライアント様から、退職金制度の設計サポートを依頼されました。

5月からスタートし、コロナの影響による中断を挟み、今回は3回目の打合せ。
もともと退職金規程のある会社ですが、ここ数年は好業績が続いていることと、支給対象者が少数のため、規程に関係なく高水準の退職金を支給している状況でした。
しかしながら、今後のことを考えると、継続可能かつ、社員に喜ばれる(この会社に勤めてよかったと思われる)新しい制度を設計したいとのこと。

現制度の課題として
・規程とは関係なく支給額を決定しているが、しっかりとルールを定めて運用していきたい
・在籍中の貢献度に関係なく年数に応じて一律に支給しているが、在籍中の貢献度に応じて金額に格差をつけたい
・正社員だけが支給対象となっているが、パート社員に対しても金額は少ないかもしれないが支給していくルールを定めたい

といった課題が挙げられました。

そこで、今後、想定される退職金額が各年度でどの程度となるのかをシミュレートし、分析しました
そこから、現在のルールを維持すると、5年後から10年間程度の期間で財務状況にかなりのダメージを与える可能性のある金額が確認できました。

そこで、広島県と東京都の退職金相場と、現在の支給水準を比較し、新しい退職金カーブを複数モデル設計して提示し、新しい退職金カーブの基本コンセプトを決定。
・広島県の高卒モデルを主任から係長クラスの水準として設定
・広島県の大卒モデルを課長から次長クラスの水準として設定
・現在の支給ルールによる最高水準を部長クラスの水準として設定

次回、打合せ時には上記を網羅した新退職金ルールを提示する予定です。

中小企業では、バブル崩壊後に新卒採用した団塊ジュニア世代が管理職をはじめ、役職に就いている会社が非常に多くあります。
そうした社員は勤続年数が長く、役職に就いていることが多いため、退職時に支払う退職金が高額となります。
また、新卒採用した社員への定年退職による退職金支給が殆どなかったことから、退職金に対してルールの見なおしや積み立てをしていない会社も多くあります。

これから、団塊ジュニア世代が大量に定年を迎える15年前後は退職金危機に陥る中小企業が多く出てくるのではないかと危惧しています。
今、見なおせば、積み立てをする期間もありますし、制度の見なおしをすることも可能です。

ぜひ、一度、今後想定される退職金額を年度別に試算してみてはどうでしょうか。

投稿者プロフィール

猪基史
猪基史
アパレル会社勤務後、2000年、中小企業診断士資格取得と同時にコンサルタント会社に転職。営業(販促)支援、個別対応型管理者育成、業績管理制度構築・運用といった現場実戦型コンサルティングを中心に中小企業の支援を行う。その活動の中、経営者の方針=想いを実現させるためには従業員がやりがいを持って働ける環境を整備することが不可欠であると痛感し、会社と社員が共存共栄の関係を築ける「人事制度改革」に特化した中小企業支援を自らの専門領域として確立する。
2004年に独立しヒューマンリソースコンサルタントを創業。「既存のノウハウ」を前提としたコンサルティングではなく「各企業の問題解決」を前提としたコンサルティングを納得のいくまで追求、実践し続けている。