社会保険の企業規模要件(従業員数要件)とは?短時間労働者の適用拡大をわかりやすく解説

人事制度や労務管理に関する最新トレンドを分かりやすく解説しています。

社会保険の企業規模要件(従業員数要件)とは?短時間労働者の適用拡大をわかりやすく解説

社会保険の企業規模要件とは、パートタイム労働者などの短時間労働者が厚生年金・健康保険の対象になるかを判断する、会社の従業員数に関する条件です。現在は従業員51人以上で、2027年10月に36人以上へ引き下げられ、2035年10月に撤廃される予定です。

目次

用語が注目される背景

厚生労働省の資料(令和7年法律第74号の概要)によると、企業規模要件は、令和9年(2027年)10月1日から令和17年(2035年)10月1日までの間に段階的に撤廃されます。人事・総務の担当者にとって、自社が対象になる時期を把握することが課題になっています。

制度・仕組み・構成要素

短時間労働者が社会保険の対象になるかどうかは、一般に、会社に関する条件と、本人に関する条件の組み合わせで判断されます。

  • 企業規模要件(会社の条件):従業員数が基準を超えていること
  • 労働時間の要件(本人の条件):週の所定労働時間が一定以上であること。従来は20時間以上と説明されている
  • 雇用見込みの要件(本人の条件):雇用期間の見込みが一定以上であること
  • 学生でないこと(本人の条件)
  • 賃金要件(本人の条件):月額賃金8.8万円以上。2026年10月1日に撤廃されたと二次情報で紹介されている

本人に関する条件の詳細は、一般的な説明です。公開前に日本年金機構の案内でご確認ください。

企業規模(常勤の従業員数)実施時期
50人超(51人以上)2024年10月
35人超(36人以上)2027年10月
20人超(21人以上)2029年10月
10人超(11人以上)2032年10月
10人以下2035年10月

類似用語との違い

用語内容
企業規模要件会社の従業員数に関する条件。段階的に引き下げられ、最終的に撤廃される
賃金要件短時間労働者の月額賃金に関する条件。2026年10月1日に撤廃されたと紹介されている
労働時間要件週の所定労働時間に関する条件
106万円の壁年収の目安として使われる通称。賃金要件に関連して言われてきた

人事労務上のメリット

  • 短時間労働者が厚生年金に加入することで、将来の年金や、病気やけがのときの保障が手厚くなる
  • 社会保険の加入を通じて、会社の福利厚生を採用の訴求点にしやすくなる
  • 企業の規模によらず、同じ働き方の人が同じ制度の対象になりやすくなる

実務上の課題・注意点

従業員数の数え方に定めがあり、自社が基準に該当するかを正確に判断する必要があります。基準に近い会社では、採用や退職によって対象になる時期が変わります。加入により会社の保険料負担が増えるため、人件費計画への反映が必要です。

中小企業における活用方法

自社が対象になる時期を確認し、短時間労働者の勤務時間や役割を見直す機会として活用できます。加入を前向きに捉えて、パートタイム労働者の戦力化や、正社員への転換の仕組みと合わせて検討する会社もあります。

導入・対応手順

  1. 自社の従業員数と、対象になる時期を確認する
  2. 短時間労働者の勤務条件を一覧にする
  3. 保険料の負担額を試算する
  4. 従業員に制度と変更点を説明する

確認チェックリスト

確認項目内容
対象時期自社が対象になる時期を、公式の案内で確認したか
要件の区別企業規模要件と、賃金要件・労働時間要件の違いを説明できるか
試算会社の保険料負担を試算したか

よくある質問

企業規模要件は、いつまでに撤廃されますか。

厚生労働省の資料では、令和9年(2027年)10月1日から令和17年(2035年)10月1日までの間に、段階的に撤廃されるとされています。

2027年10月には、どの規模の企業が新たに対象になりますか。

資料の表では、2027年10月に「35人超」の企業が対象になります。つまり、従業員が36人以上の企業です。

まとめ

社会保険の企業規模要件とは、短時間労働者の加入を判断する、会社の従業員数に関する条件です。現在の51人以上から、2027年10月に36人以上へ引き下げられ、2035年10月に撤廃される予定です。自社が対象になる時期を確認し、準備を進めてください。

関連記事・関連サービス

公的情報源・参考資料

なぜ中小企業にHRCが選ばれるのか?

完全請負制で追加費用なし・月額分割も可能

自社専用オリジナル人事制度構築:総額 900,000円(税込990,000円)〜

コンサルティング期間(標準6ヶ月)での月額分割払い(月額15万円〜)に対応。
契約後の追加費用は一切発生いたしません。

★ 定着するまで絶対に投げ出さない「2年間の無償サポート」

制度は「作って終わり」ではなく「運用してから」が本番です。HRCでは導入後2年間、以下の運用サポートを無償でご提供します。

  • 評定会議への同席・アドバイス: 評価のブレをプロの目線で補正します。
  • 昇給・賞与検討用資料の作成支援: 経営を圧迫しない適正な配分をアドバイスします。
  • 制度メンテナンス・微修正: 運用で見えた課題を随時調整します。

※上記を超える実務作業(評価シートの全面改訂、新たな研修の企画・代行登壇など)が発生する場合は、必ず事前にお見積りをご提示し、ご納得いただいた上での対応となります。

はじめての人事制度・制度設計サポート

制度設計サポート(はじめての人事制度)

社員数50名以下の中小企業様へ。本サービスでは、評価制度と賃金制度をトータルで設計し、一貫性のある「はじめての人事制度づくり」を支援します。何をどうすれば評価され、処遇に反映されるのかが一目瞭然となる、シンプルで分かりやすい仕組みを構築。採用に強い賃金表や、社員の強みを活かすキャリアコースの設計を通じ、人材の定着と育成を後押しします。

サービス詳細を見る
制度運用サポート(はじめての人事制度)

制度運用サポート(はじめての人事制度)

「制度を作ったものの、正しく運用できるか不安…」そんなお悩みを解決します。本サービスでは、評価のバラつきを防ぎ、部下の育成につなげる「評価者研修」と、評価集計から昇給・賞与の資料作成までを丸ごと任せられる「運用アウトソーシング」の2本柱で手厚くサポート。人事担当者の負担を大幅に削減しながら、納得感の高い制度の定着を実現します。

サービス詳細を見る
パート・契約社員人事制度構築

パート・契約社員人事制度構築

最低賃金の上昇や「同一労働同一賃金」への対応など、非正規雇用の労務管理は年々難易度を増しています。本サービスでは、単なる労働力の調整弁ではない、パート・契約社員の「戦力化」を実現する制度を構築。業務範囲に基づいた明確な評価・賃金テーブルを整備し、法的リスクを回避しつつ、モチベーション高く働ける環境を整えます。正社員登用制度の設計も支援します。

サービス詳細を見る
賃金制度・給与体系構築

賃金制度・給与体系構築

採用難や離職の裏には、魅力に欠ける給与体系があるかもしれません。本サービスでは、世間相場や貴社の収益構造を踏まえた、公正で競争力のある賃金制度を構築します。基本給テーブルの設計から、諸手当、賞与ルールの明確化までをトータルサポート。社員が将来に希望を持てるキャリアパスと連動した給与体系が、組織の定着率と生産性を劇的に高めます。

サービス詳細を見る
目次