HRBP(HRビジネスパートナー)

HRBP(HRビジネスパートナー)とは?【経営戦略を実現する戦略的人事の役割】

【定義】HRBP(Human Resource Business Partner)とは、経営者や事業部門の責任者と対等な立場でパートナーシップを組み、事業目標を達成するために、人と組織の面から戦略的にサポートする人事のプロフェッショナルです。従来の人事(管理・労務・採用などのオペレーション業務)とは異なり、「経営戦略と人事戦略の連動」を主たるミッションとし、組織開発やチェンジマネジメントを主導します。

変化の激しい時代において、経営に直結する「攻めの人事」が求められています。HRBPの役割と、中小企業における導入・育成の考え方を解説します。


従来の人事とHRBPの違い

デイビッド・ウルリッチ教授が提唱した「人事の4つの役割」に基づくと、HRBPは「戦略的パートナー」に位置づけられます。

項目 従来の人事(管理型) HRBP(戦略型)
視点 内向き(制度の運用、公平性) 外向き(事業の成長、顧客価値)
ミッション 管理、効率化、コンプライアンス 事業目標の達成、組織変革
現場との関係 要請を受けて対応する(受動的) 課題を発見し提案する(能動的)
求められるスキル 労務知識、事務処理能力 ビジネス理解、課題解決力、コンサルティング力

中小企業におけるHRBPの必要性

1. 経営者の「壁打ち相手」として

中小企業では、専任のHRBPを置くことは難しい場合がありますが、人事責任者やNo.2がHRBP的な役割を担うことが重要です。経営者の孤独な意思決定に対し、組織・人材の観点から助言を行い、戦略を実行に移す参謀役となります。

2. 現場に入り込む人事

管理部門の席に座っているだけでなく、事業部門の会議に参加し、現場のマネージャーが抱える組織課題(離職、モチベーション低下、スキル不足)をリアルタイムで把握し、解決策を即座に提案・実行する動きが求められます。

3. アウトソースの活用

社内にHRBP人材がいない場合、外部の人事コンサルタントを「社外HRBP」として活用し、客観的な視点から経営と人事を繋ぐ支援を受けることも有効な選択肢です。

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