【2026年4月後半】賃上げ税制が拡充!育成就労の「転籍」詳細/生成AI評価の指針など5選

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【2026年4月後半】賃上げ税制が拡充!育成就労の「転籍」詳細/生成AI評価の指針など5選

新年度がスタートして半月が経過しました。4月後半は、賃上げを後押しする税制の具体的な運用方針や、深刻な人手不足を背景とした「外国人材」「シニア活用」に関する踏み込んだルール整備が目立っています。

本記事では、2026年4月後半に公表された人事・労務関連の重要ニュースの中から、中小企業の経営者・人事担当者が実務に反映すべき5つのトピックを厳選して解説します。

この記事でわかること

  • 中小企業の賃上げ促進税制における「教育訓練費」の上乗せ要件緩和。
  • 新資格「育成就労」の転籍(転職)ルールと、育成費用分担スキームの詳細。
  • 70歳雇用時代に向けたシニア採用健康管理ガイドラインとリスク対策。
  • 人事評価における生成AI活用の倫理指針と、透明性を確保する運用法。
  • 個人に直接支給される「リスキリング助成金」への対応と人材流出防止策。

目次

1. 「賃上げ促進税制」の要件緩和、中小企業の「教育訓練費」への上乗せ措置が拡充

  • 公表日時:2026年4月22日 (財務省・経済産業省 発表)
  • ニュース概要の抜粋

    政府は22日、中小企業の構造的な賃上げを後押しするため、「賃上げ促進税制」のさらなる拡充措置を公表しました。特に注目すべきは、従業員へのリスキリング(学び直し)を支援する「教育訓練費」に関連する上乗せ要件の緩和です。これまで「前年度比10%増」などの厳しい基準がネックとなっていましたが、2026年度税制改正の運用指針では、外部研修の活用だけでなく、社内でのデジタルスキル習得プログラムの実施についても幅広く控除対象として認める方針が示されました。物価高に負けない賃上げ原資を確保しつつ、生産性を向上させるための「人への投資」を促す狙いがあります。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:節税と人材育成を同時に進める好機

      解説:中小企業にとって賃上げは大きな負担ですが、税制優遇を活用すれば実質的な持ち出しを抑えられます。今回の拡充では、外部講師を招いた社内研修や、オンライン学習サービスの導入費用も対象になりやすくなりました。「給与を上げて、さらにスキルアップも支援する会社」という姿勢は、既存社員の定着だけでなく、採用市場での強力な武器になります。

    • ポイント2:デジタル・AI関連の教育は最優先で

      解説:生産性向上に直結するDX(デジタルトランスフォーメーション)や生成AIの活用に関する研修は、今回特に推奨される項目です。単に「パソコンが使える」レベルではなく、自社の業務をAIでどう効率化するかを学ぶ機会を提供しましょう。研修費用の一部が税金から戻ってくる仕組みを最大限に活用し、社内のITリテラシーを底上げするチャンスです。

    • ポイント3:教育訓練費の「明細」管理を厳格に

      解説:上乗せ措置を受けるためには、何を「教育訓練費」として計上したかの証憑(しょうひょう)管理が重要です。研修の領収書だけでなく、誰が、いつ、どのような内容の研修を受けたかの記録、さらには教育訓練計画の作成が必要になります。今から経理部門や顧問税理士と連携し、申告時に慌てないための管理フローを構築しておきましょう。


2. 新資格「育成就労」の運用詳細が決定。転籍ルールの厳格化と中小企業への影響

  • 公表日時:2026年4月24日 (法務省・出入国在留管理庁 発表)
  • ニュース概要の抜粋

    技能実習制度に代わり導入される新制度「育成就労」の運用要領の詳細が24日に固まりました。最大の焦点であった「本人希望による転籍(職場移動)」について、一定の条件下で認める期間が「同一職場での就労1〜2年」の間で分野ごとに設定されました。また、転籍を認める際の要件として、日本語能力試験「N5(入門レベル)合格」や技能検定の合格が必須となります。さらに、不当な引き抜きを防ぐため、転籍先の企業が前籍企業に対して「育成費用の一部を分担するスキーム」が導入されるなど、中小企業の受け入れ負担と人材流出リスクのバランスを取る仕組みが明文化されました。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:「選ばれる職場」への脱皮が不可欠に

      解説:これまでの技能実習と異なり、新制度では外国人材が「職場を選ぶ」自由が実質的に認められます。1〜2年で他社に移られてしまうのを防ぐには、単なる労働力として扱うのではなく、キャリアアップの道筋を見せる必要があります。自社で働き続けるメリット(昇給、資格取得支援、住環境の整備など)を明確に提示する「選ばれる努力」が経営者に求められます。

    • ポイント2:「育成費用の分担金」を正しく理解する

      解説:優秀な人材が他社に移る際、新しい会社から育成費用の一部(紹介料や入国費用などの按分)を受け取れる仕組みが導入されます。これは中小企業の「育て損」を防ぐための画期的なルールです。逆に言えば、他社から外国人材を採用する際にはこのコストが発生することを意味します。採用コストの計算方法が大きく変わるため、最新のガイドラインを確認してください。

    • ポイント3:日本語教育を「福利厚生」に組み込む

      解説:転籍の要件に「日本語能力」が含まれるため、日本語学習を支援することは一見「転籍を助ける行為」に見えるかもしれません。しかし、コミュニケーションがスムーズになることは事故防止や生産性向上に直結します。社内で日本語教室を開く、あるいはオンライン講座の費用を補助するなど、手厚いサポートを提供することが、結果として信頼関係を深め、定着率を高める鍵となります。


3. 「シニア採用における健康管理ガイドライン」公表。70歳雇用時代のリスク管理

  • 公表日時:2026年4月17日 (厚生労働省・産業医学振興財団)
  • ニュース概要の抜粋

    深刻な労働力不足を受け、70歳までの就業機会確保が一般化する中、厚労省は17日、シニア層の安全・健康を確保するための新ガイドラインを策定しました。高齢期における身体能力(視力、聴力、平衡感覚等)の個人差に着目し、一律の定年制や再雇用後の条件提示ではなく、個別の身体機能評価に基づいた職務配置(エイジフレンドリーな職場作り)を推奨しています。特に、転倒や墜落といった「行動災害」を防止するための設備投資(床の滑り止め、照明の増設など)や、フレイル(加齢による衰え)チェックの導入を企業に求めています。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:「一律の再雇用」から「個別の適材適所」へ

      解説:定年後、全員を一律の嘱託社員として扱うのは限界に来ています。視力が必要な検査、体力が必要な現場作業など、加齢によるリスクは職種ごとに異なります。個々の健康状態を確認した上で、「この役割なら安全にパフォーマンスを発揮できる」という個別の合意形成が重要です。これには定期的な面談と、産業医等によるアドバイスの活用が有効です。

    • ポイント2:エイジフレンドリーな職場への設備投資

      解説:高齢者が働きやすい職場は、実は全世代にとって働きやすい職場です。例えば、文字を大きくした掲示物、段差の解消、防音対策などは若手社員のミス防止にも繋がります。これらの設備投資には「エイジフレンドリー補助金」などの助成金が活用できるケースも多いため、安全管理を「コスト」ではなく「持続可能な労働力確保のための投資」と捉え直しましょう。

    • ポイント3:シニア層特有の「メンタル・不調」への配慮

      解説:高齢社員は、自身の衰えを認めたくないという心理から無理をしてしまい、大事故に繋がるケースがあります。また、かつての部下が上司になるなどの人間関係の変化によるストレスも無視できません。ガイドラインでは、精神面での健康管理も重視されています。シニア層が「無理をせず、経験を活かして相談しやすい」雰囲気作りを管理職が主導することが大切です。


4. 生成AIによる「人事評価」活用への倫理指針。評価の透明性と納得感が焦点

  • 公表日時:2026年4月20日 (デジタル庁・HRテクノロジー協会)
  • ニュース概要の抜粋

    社内での生成AI利用が一般化する中、評価制度にAIを導入する企業が急増しています。これを受け、デジタル庁は20日、公平性を担保するための倫理指針案を公表しました。主な内容は、(1)AIによる評価結果をそのまま合否や報酬決定に使わず、必ず人間が最終判断すること(ヒューマン・イン・ザ・ループ)、(2)評価指標となるデータにバイアス(偏見)が含まれていないか定期的に検証すること、(3)従業員に対しAIの利用範囲を事前に開示することの3点です。ブラックボックス化した評価は従業員の不信感を招き、法的トラブルに発展する可能性があると警鐘を鳴らしています。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:AIは「評価の材料作り」に留める

      解説:中小企業でも、日報や目標達成度をAIで要約し、一次評価の参考にすることは非常に効率的です。しかし、「AIのスコアが低いから昇給なし」といった短絡的な運用は絶対にNGです。AIはあくまで上司が「判断するための準備」を助けるツール。最終的なフィードバックは、上司が責任を持って血の通った言葉で行うことが、社員の納得感を生む鉄則です。

    • ポイント2:「透明性」が最大の不満防止策

      解説:知らない間にAIが自分を格付けしていると感じると、社員は恐怖を感じます。導入時には「どのデータをAIに解析させているか」「AIの結果をどう評価に反映させているか」を全社にオープンに説明しましょう。「上司の好き嫌いによる偏りをAIで客観化する」という導入目的をポジティブに伝えることが、制度定着のポイントです。

    • ポイント3:中小企業こそ「評価の標準化」にAIを

      解説:中小企業では「上司によって評価の厳しさが違う」という課題がよくあります。AIを活用することで、全社一律の基準でパフォーマンスを分析できるため、公平性を高める大きなチャンスになります。高額なシステムを導入しなくても、ChatGPTなどのツールを使って既存の評価基準を整理することから始められます。まずは「評価のブレ」をなくす補助ツールとして検討しましょう。


5. 「自己啓発支援(リスキリング)助成金」の個人直接支給枠、受付開始

  • 公表日時:2026年4月28日 (文部科学省・厚生労働省)
  • ニュース概要の抜粋

    政府は28日、個人の自律的なキャリア形成を支援するため、従業員が会社の許可を得ずに受講できる「個人直接支給型リスキリング助成金」のポータルサイトを開設し、申請受付を開始しました。これまでは企業を経由する助成金が主流でしたが、労働者個人が希望する研修(IT、介護、経営管理等)に対し、受講費用の最大70%を直接支給します。企業にとっては、社員が自主的に学んでくれるメリットがある反面、身につけたスキルを活かせない職場環境であれば、転職を加速させてしまう「人材流出リスク」も孕んでいます。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:社員の「勝手に勉強」を全力で応援する

      解説:会社がお金を出さなくても、国が70%も補助してくれるこの制度は、中小企業にとって願ってもない「他力本願」な人材育成チャンスです。社員がこの制度を使おうとしているなら、むしろ積極的に情報提供しましょう。「うちの会社は、個人の学びを応援してくれる」という文化があるだけで、会社への帰属意識(エンゲージメント)は向上します。

    • ポイント2:学んだスキルを「アウトプット」する場を社内に

      解説:この助成金でスキルを身につけた社員が一番不満に思うのは、「せっかく学んだのに、会社で使う機会がない」ことです。例えばデジタルスキルを学んだ社員には、社内のDXプロジェクトを任せるなど、学んだ内容を業務に反映できる場をセットで提供しましょう。そうすることで、転職ではなく「社内での昇進・活躍」へと意識を向けることができます。

    • ポイント3:社内での「学習コミュニティ」の創出

      解説:個人申請型であっても、社内で同じような分野を学んでいるメンバーがいるはずです。彼らを集めて「勉強会」や「成果共有会」をランチタイム等に開催することを推奨しましょう。孤独な学習は挫折しやすいですが、仲間がいれば継続します。会社が「場所」と「交流のきっかけ」を提供するだけで、組織全体の学習意欲が高まり、組織力強化に繋がります。


以上のニュースについて、自社の制度への具体的な反映方法や、活用できる助成金の詳細について個別にご相談を希望される場合は、お気軽にお問い合わせください。

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※上記を超える実務作業(評価シートの全面改訂、新たな研修の企画・代行登壇など)が発生する場合は、必ず事前にお見積りをご提示し、ご納得いただいた上での対応となります。

人事制度を構築する際には、膨大な時間と議論が必要となります。そのため、完成までの打合せ回数が契約上の回数を超える場合もありますが、契約時の条件に基づき、人事制度が完成するまで責任を持って取り組ませていただきます。

もちろん追加料金などは一切発生しませんので、安心して人事制度の定着を進めていただけます。

※ただし、御社都合やや予期せず災害などで遅延が発生した場合には、別途料金を請求させていただくことがあります。

新しい人事制度を定着させるには、運用中に出てくる問題点を洗い出し、その原因を探り、適切な対策を取る必要があります。そのため、完成後の2年間は評定会議に参加し、制度がしっかり根付くようアドバイスをさせていただきます。

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