【2026年5月前半】「つながらない権利」への対応/熱中症対策・育休応援手当など5選

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【2026年5月前半】「つながらない権利」への対応/熱中症対策・育休応援手当など5選

ゴールデンウィークが明け、新体制での業務が本格稼働する一方で、環境の変化による従業員の心身のケア(五月病対策など)が特に求められる時期となりました。5月前半は、時間外連絡を制限する「つながらない権利」や、夏の猛暑を見据えた「熱中症特別警戒アラート」への対応など、従業員の健康と安全を守るための重要な指針が相次いで公表されています。

この記事では、2026年5月前半に公表された人事・労務関連の重要ニュースの中から、中小企業の経営者・人事担当者の皆様が今すぐ押さえておくべき5つのトピックを厳選。実務で役立つ3つのポイントと併せて詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 精神的疲労を防ぐ「つながらない権利」ガイドライン案と、企業が取るべき社内ルール。
  • 猛暑から従業員を守る「熱中症特別警戒アラート」発令時の就業制限と、活用できる助成金。
  • 周囲の同僚へ応援手当を支給する両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)の大幅拡充。
  • サマーインターン本格化に伴う「やりがい搾取(ブラックインターン)」への指導強化とリスク回避策。
  • 賃上げに代わる定着策として注目される中小企業向け「職域NISA・企業型DC」簡易パッケージ。

目次

1. 業務時間外の連絡を制限する「つながらない権利」ガイドライン案が公表

  • 公表日時: 2026年5月8日 (厚生労働省 有識者会議)
  • ニュース概要の抜粋:

    近年、テレワークの普及やチャットツールの浸透により、休日や深夜でも業務の連絡が届き、従業員が心理的に休まらない「デジタル疲労」が問題視されています。これを受け、厚生労働省は5月8日、労働者の休息を保障する「つながらない権利」に関する企業向けガイドライン案を公表しました。

    本ガイドライン案では、緊急時を除き、業務時間外や休日におけるメール・チャットの送信、およびそれに対する即時返信の強要を原則として控えるよう企業に求めています。法的な罰則は現時点ではありませんが、メンタルヘルス不調による労災認定の際、時間外の過度なデジタル連絡が「心理的負荷」として重く評価される方針が示されており、企業には明確な社内ルールの策定が急務となっています。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:「暗慢の了解」を明文化して禁止する

      解説:経営者や管理職が「返信は明日でいいよ」と思って休日にチャットを送っても、部下はプレッシャーを感じて即座に返信してしまいます。これが常態化すると離職やメンタル不調に直結します。「休日は緊急時(システム障害など)を除き、原則チャットの送信を禁止する」「時間外に受信しても翌営業日の始業まで返信不要」というルールを就業規則や社内規定に明文化することが第一歩です。

    • ポイント2:チャットツールの「予約送信機能」を活用

      解説:「忘れないうちに指示を出しておきたい」という管理職側のニーズも理解できます。その場合は、ツールの「予約送信(スケジュール送信)機能」を全社で標準化しましょう。休日に思いついたタスクも、翌営業日の朝9時に相手に届くように設定するだけで、送信者の備忘録と受信者の休息を両立させることができます。ITツールで仕組み化することが最も確実な対策です。

    • ポイント3:取引先にも自社の「つながらない権利」を周知

      解説:社内ルールを整備しても、取引先から休日に電話やメールが来れば現場は対応せざるを得ません。「働き方改革の一環として、弊社では休日の対応を原則控えさせていただいております」といった一文を、全社員のメールの署名欄や、年末年始・GW前の案内文に記載し、社外に対しても自社のスタンスを毅然と示すことが、従業員を守る経営者の重要な役割です。


2. 夏の「熱中症特別警戒アラート」発令時の就業制限・対策ガイドラインを強化

  • 公表日時: 2026年5月12日 (環境省・厚生労働省 合同発表)
  • ニュース概要の抜粋:

    気候変動による記録的な猛暑が常態化する中、政府は5月12日、屋外作業や空調のない工場などでの労働災害を防ぐための新たな熱中症対策ガイドラインを発表しました。

    特に危険な暑さが予想される際に発表される「熱中症特別警戒アラート」の発令地域において、企業は原則として「屋外での不要不急の作業の中止」や「冷房設備のない屋内作業の延期」などの強力な措置を講じることが求められます。これに違反して従業員が熱中症で倒れた場合、企業の安全配慮義務違反が極めて厳しく問われます。同時に、空調服(ファン付き作業着)やスポットクーラーの導入を支援する中小企業向け助成金の追加枠も発表されました。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:「気合いと根性」の排除とルールの徹底

      解説:現代の夏の暑さは、もはや「こまめに水分を取れば乗り切れる」レベルを超えた災害です。特に建設業、物流業、製造業では、現場のベテラン層が「昔はこれくらい平気だった」と無理をして倒れるケースが後を絶ちません。「特別警戒アラートが出たら、屋外作業は午前中のみとする」など、現場の裁量ではなく会社としての強制的な休止ルールを明確に定める必要があります。

    • ポイント2:「熱中症助成金」を活用した設備の即時導入

      解説:今回追加発表された労働環境改善のための助成金(エイジフレンドリー補助金などとの併用)をフル活用し、本格的な夏が来る前に設備投資を完了させてください。最新の空調服やネッククーラーの全員支給、休憩所への大型スポットクーラーの設置などは、従業員の命を守るだけでなく、夏の採用活動において「従業員を大切にする会社」という強力なアピール材料になります。

    • ポイント3:柔軟な「サマータイム(早朝シフト)」の導入

      解説:日中の作業を中止せざるを得ない場合、業務の遅れをどうカバーするかが課題となります。一つの解決策として、夏期(7月〜9月)限定で始業時間を大幅に前倒しする「サマータイム制」や「フレックスタイム制」の導入が有効です。気温が比較的低い早朝に作業を集中させ、昼過ぎには終業するシフトを組むことで、安全確保と生産性の維持を両立させることができます。


3. 「育休代替要員確保」の助成金が大幅拡充。同僚への「応援手当」で不満を解消

  • 公表日時: 2026年5月1日 (厚生労働省)
  • ニュース概要の抜粋:

    男性の育児休業取得率の目標が引き上げられる中、中小企業最大の壁である「休む人の穴埋めによる周囲への負担」を解消するため、厚労省は5月1日、「両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)」の大幅な要件緩和と拡充を発表しました。

    育休を取得する社員の業務を代替する新規人材(派遣や契約社員)を確保した場合の支給額が引き上げられたほか、新たに人材を雇わず、既存の同僚たちで業務をカバーした場合に、その同僚に対して「応援手当(代替業務手当)」を支払った企業への助成金(最大125万円)が非常に使いやすくなりました。これにより、「休む本人」だけでなく「支える周囲」にも直接的な金銭的メリットを提供できるようになります。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:「応援手当」で残された社員の不満をプラスに変える

      解説:育休取得が進まない最大の原因は「自分が休むと周りに迷惑がかかる」という本人の罪悪感と、「なんで自分たちだけが忙しくなるのか」という同僚の不満です。同僚に「〇〇さんの分まで頑張ってくれたら、会社から特別手当を毎月数万円出すよ。原資は国の助成金を使うから遠慮しなくていい」と提示できれば、不満は「協力的なモチベーション」へと劇的に変化します。

    • ポイント2:短期間の「男性育休」にも活用可能

      解説:この助成金は女性の長期育休だけでなく、1ヶ月程度の男性育休でも要件を満たせば活用できます。「たった1ヶ月なら気合でカバーしろ」と現場に押し付けるのではなく、短期間であっても会社としてしっかり業務分担を見直し、手当を支給する姿勢を見せることで、「この会社なら男女問わず安心して家庭と仕事を両立できる」というエンゲージメントの大幅な向上に繋がります。

    • ポイント3:就業規則への「手当規定」の追加を急ぐ

      解説:助成金を受給するための必須要件として、「業務代替手当(応援手当)」に関する規定をあらかじめ就業規則等に定めておく必要があります。育休の申し出があってから慌てて規定を作っても、助成金の対象外となるリスクがあります。今のうちに顧問社労士と相談し、「育児休業取得者の業務を代替した者に対し、代替期間中、月額〇万円を支給する」といった条文を追加しておきましょう。


4. 長期の「やりがい搾取」インターンに指導強化。最低賃金法違反のリスク

  • 公表日時: 2026年5月14日 (各都道府県労働局 通知)
  • ニュース概要の抜粋:

    2027年卒向けのサマーインターンシップの募集が本格化する中、労働局は5月14日、学生を安価な労働力として利用する「ブラックインターン(やりがい搾取)」に対する監視と指導を強化する方針を打ち出しました。

    近年、採用活動の一環として「長期実践型インターン」を導入する中小企業やベンチャー企業が増加していますが、「営業のテレアポ」「プログラミングの実装」など、企業の利益に直結する業務を学生に無給または最低賃金未満で長期間行わせるケースが多発しています。労働局は、実態として「指揮命令下で業務を行っている」と判断されれば労働基準法・最低賃金法が適用されるとし、違反企業には是正勧告や企業名公表の措置をとると警告しています。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:「就業体験」と「労働」の境界線を明確にする

      解説:1日〜数日間の「グループワーク」や「職場見学」は無給でも問題ありませんが、学生が企業の指示で実際に顧客へ営業の電話をかけたり、納品用のコードを書いたりする場合は、完全に「労働」と見なされます。「学生にとって良い経験になるから無給でも許される」という言い訳は一切通用しません。労働させる場合は、必ずアルバイトとしての雇用契約(時給発生)を結んでください。

    • ポイント2:有給インターンを「優秀層の囲い込み」に使う

      解説:リスクを恐れて実践型インターンをやめる必要はありません。むしろ、最初から「時給〇〇円の長期有給インターン」として募集をかけることで、優秀で意欲の高い学生を惹きつける強力な採用ツールになります。実務を通じて学生の適性や人柄を数ヶ月かけて見極めることができるため、入社後のミスマッチを限りなくゼロに近づける先行投資として非常に有効です。

    • ポイント3:SNSでの「レピュテーション(評判)リスク」の恐怖

      解説:今の学生は、不当な扱いを受けると即座にSNSや就活口コミサイトで共有します。「あそこのインターンはタダ働きさせられる」「交通費すら出ないブラック企業だ」というレッテルを一度貼られると、その後の採用活動に致命的なダメージを与えます。学生を「お客様」として扱う必要はありませんが、労働に対する正当な対価を払うというコンプライアンス意識を徹底してください。


5. 中小企業向け「職域NISA・企業型DC」簡易導入パッケージの提供開始

  • 公表日時: 2026年5月11日 (金融庁・中小企業庁 連携施策)
  • ニュース概要の抜粋:

    物価高と金利上昇(ゼロ金利解除)が続く中、従業員の資産形成を支援する「フィナンシャル・ウェルネス(経済的な健康)」の重要性が高まっています。金融庁と中小企業庁は5月11日、資金力に乏しい中小企業でも低コストかつ少負担で従業員の資産形成を支援できる「職域NISA」および「企業型DC(確定拠出年金)」の簡易導入パッケージの提供を開始しました。

    基本給の大幅な引き上げ(ベア)が限界に達している中小企業において、会社が金融機関と提携して金融教育(セミナー)を提供し、毎月少額の奨励金を上乗せするなどの福利厚生を充実させることで、従業員の将来不安を払拭し、長期的な定着率向上に繋げる新たな人事戦略として注目されています。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1:「賃上げ」以外の強力なリテンション(引き留め)策

      解説:大手企業のように「基本給を月額3万円上げる」ことは難しくても、「毎月の給与からNISA口座に天引き貯蓄する仕組みを作り、会社が月々3千円の奨励金を出す」ことは多くの中小企業でも可能です。こうした「将来の資産形成を本気で応援してくれる」という会社のスタンスは、特に老後資金に不安を抱える20代〜30代の若手・中堅層の離職を防ぐ強い防波堤となります。

    • ポイント2:「金融教育」を福利厚生として提供する

      解説:制度を作っても、「投資は怖い」「やり方が分からない」という従業員が多いのが現実です。簡易導入パッケージには、専門家(FP等)による無料または安価な金融教育セミナーが含まれています。業務時間内に「お金の勉強会」を開催することで、従業員のマネーリテラシーが向上し、会社が提供する制度のありがたみ(価値)を正しく理解してもらうことができます。

    • ポイント3:事務負担を最小限に抑えるスキームの活用

      解説:これまで企業型DCなどは「導入手続きや毎月の管理が面倒」と敬遠されがちでした。しかし、今回提供されたパッケージや、近年普及している「iDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)」を活用すれば、人事・総務担当者の事務負担は極めて少なく済みます。メインバンクや顧問社労士に「手間の少ない資産形成支援策を入れたい」と打診し、提案を受けてみましょう。


従業員の「健康管理」と「不満解消」が定着率向上の鍵に

今回ご紹介した5つのトピックに共通するのは、「従業員が安心して働ける環境を整え、エンゲージメントを高める」という視点です。

猛暑対策や「つながらない権利」による健康管理はもちろん、育休中の周囲への「応援手当」や「職域NISA」のような福利厚生の充実は、大手企業との待遇競争に悩む中小企業にとって、非常に投資対効果の高い離職防止(リテンション)戦略となります。

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