在籍型出向とは?雇用シェアの仕組みと助成金をわかりやすく解説

人事制度や労務管理に関する最新トレンドを分かりやすく解説しています。

在籍型出向とは?雇用シェアの仕組みと助成金をわかりやすく解説

在籍型出向とは、労働者が出向元企業との雇用契約を維持したまま、一定期間、出向先企業で働く仕組みです。「雇用シェア」とも呼ばれ、人材育成や雇用維持の手段として活用されています。厚生労働省の産業雇用安定助成金を利用できる場合があります。

目次

用語が注目される背景

人手不足が続く中、自社だけでは十分な人材育成の機会を用意できない中小企業や、繁閑の差が大きい業種において、他社との人材の融通・育成の手段として在籍型出向への関心が高まっています。厚生労働省は、在籍型出向を活用する事業主を支援する産業雇用安定助成金を設けており、令和8年8月時点の情報でも助成の仕組みが継続していることが確認できます。

制度・仕組み・構成要素

在籍型出向の主な構成要素は次のとおりです。

  • 雇用契約:出向元との労働契約関係を維持したまま、出向先の指揮命令のもとで働く
  • 出向期間:あらかじめ定めた期間(助成金の対象となる場合は1か月以上2年以内等の要件がある)で、期間終了後は出向元に復帰することが前提
  • 賃金負担:出向元・出向先の間で、出向中の賃金負担割合をあらかじめ取り決める
  • 助成金:厚生労働省の産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース等)により、出向中の賃金の一部について助成を受けられる場合がある

類似用語との違い

「在籍型出向」と「転籍」「労働者派遣」は、いずれも労働者が他社で働く仕組みですが、性質が異なります。

用語内容
在籍型出向出向元との雇用契約を維持したまま出向先で働く。出向終了後は出向元に復帰
転籍出向元との雇用契約を終了させ、出向先と新たに雇用契約を結ぶ
労働者派遣派遣元と労働者派遣契約を結んだ派遣先の指揮命令のもとで働く別の制度

業績悪化時の雇用維持を支援する制度としては、既存用語集「雇用調整助成金」もあわせてご確認ください。在籍型出向とは対象となる場面・仕組みが異なります。

人事労務上のメリット

  • 雇用を維持したまま、他社での実務経験を通じて人材を育成できる
  • 繁閑の差を、出向による人員の融通で調整できる場合がある
  • 助成金を活用することで、出向にかかる賃金負担の一部を軽減できる場合がある

実務上の課題・注意点

出向を行うには、出向元・出向先との間で出向契約を締結し、賃金負担割合・出向期間・労働条件を明確にしておく必要があります。また、助成金を活用する場合は、出向元・出向先双方に賃金上昇要件・雇用量要件・独立性要件等が定められており、これらを満たせるかどうかの事前確認が必要です。

中小企業における活用方法

出向の実務経験が少ない中小企業では、まず自社が育成したい人材・出向させたい人材を明確にし、出向先候補との関係性を整理するところから始めることが現実的です。産業雇用安定センター等の公的機関によるマッチング支援の活用も選択肢になります。

導入・対応手順

  1. 出向の目的(人材育成・雇用維持等)と対象労働者を検討する
  2. 出向元・出向先双方が助成金の対象要件を満たせるかを確認する
  3. 出向契約を締結し、対象労働者へ説明する

確認チェックリスト

確認項目内容
出向契約賃金負担割合・出向期間・労働条件を明確にしているか
独立性要件出向元・出向先の資本関係・組織的関連性を確認したか
復帰後の処遇出向終了後の賃金・評価の取り扱いを決めているか

よくある質問

在籍型出向とパート・アルバイトの労働者派遣は同じですか。

異なる仕組みです。在籍型出向は出向元との雇用契約を維持したまま出向先で働くのに対し、労働者派遣は派遣元と労働者派遣契約を結んだ派遣先で働く別の制度です。

在籍型出向にはどのような助成金がありますか。

厚生労働省の産業雇用安定助成金があり、スキルアップ支援コース等のコースが設けられています。対象要件・助成率は最新のガイドブックでご確認ください。

まとめ

在籍型出向とは、雇用契約を維持したまま出向先で働く「雇用シェア」の仕組みです。人材育成や雇用維持の手段として、産業雇用安定助成金を活用しながら取り組むことができます。出向契約の内容を丁寧に整えることが重要です。

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公的情報源・参考資料

本記事の情報確認日:2026年9月25日。助成率・上限額は令和8年8月1日時点の情報です。

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