賃金台帳とは?【法定帳簿の管理方法と中小企業が陥りやすいリスク】
【定義】賃金台帳とは、労働基準法第108条に基づき、企業がすべての従業員(正社員、パート、アルバイトを含む)の賃金支払い状況を記録するために作成・保存することが義務付けられている法定帳簿の一つです。賃金の計算の基礎となる事項や、賃金の額などを正確に記載し、3年間保存しなければなりません。
給与計算書や銀行振込記録とは異なり、法令で定められた必須の記載事項があります。賃金台帳の管理不備は、労働基準監督署の是正勧告や罰則の対象となるため、中小企業は特に正確な管理が必要です。
賃金台帳に記載が義務付けられている必須事項
賃金台帳には、以下の10項目(基本事項)と、その他の手当・控除に関する事項を漏れなく記載する必要があります。
基本事項(例)
- 氏名、性別
- 賃金計算期間(例:〇月1日~〇月30日)
- 労働日数、労働時間数(特に時間外・休日・深夜労働の時間数は必須)
- 基本給、手当その他の賃金の種類ごとの金額
- 控除項目(社会保険料、税金など)
特例(記載省略不可のケース)
以下のいずれかの社員には、上記に加え、さらに詳細な情報を記載する必要があります。
- 管理監督者: 労働時間数、休日労働時間数の記載は不要ですが、深夜労働時間は記載義務があります。
- 日雇い労働者: 毎日支払った賃金の額を記載する必要があります。
中小企業が賃金台帳管理で陥りやすいリスクと対策
リスク1: 未払い残業代リスクの顕在化
賃金台帳に時間外労働時間を正確に記載していないと、労働基準監督署の調査時や社員とのトラブル発生時に、未払い残業代の証拠として扱われず、企業が不利になる可能性があります。
リスク2: 保存期間違反
賃金台帳には「3年間」の保存義務がありましたが、労働基準法改正により、当面の間は「5年間」の保存が必要となる見込みです。古い記録も確実に残す体制が必要です。
対策: HR Techの導入
給与計算システムやクラウド型勤怠管理システム(HR Tech)を導入することで、法改正に対応した書式で賃金台帳が自動的に作成され、保存期間もシステム上で管理されるため、手作業によるリスクを大幅に軽減できます。
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