シフト制とは?雇用管理上の留意点をわかりやすく解説
シフト制とは、労働契約の締結時点では労働日・労働時間を確定的に定めず、一定期間ごとに作成される勤務割(シフト表)によって具体的な労働日・労働時間が決まる勤務形態のことです。厚生労働省は、シフト制で働く労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項を公表しており、2026年6月19日に改正されています。
用語が注目される背景
飲食業・小売業・介護事業など、繁閑に応じた柔軟な人員配置が必要な業種では、シフト制による勤務管理が広く用いられています。一方で、労働契約書に具体的な労働時間が明示されないことによるトラブルや、確定したシフトの一方的な削減をめぐる紛争が生じやすいことから、厚生労働省が留意事項を示し、適切な雇用管理を求めています。
制度・仕組み・構成要素
シフト制に関する留意事項の主な構成要素は次のとおりです。
- 労働契約書・労働条件通知書の記載:始業・終業時刻について、単に「シフトによる」とせず、可能な限り具体的に明示することが求められる
- シフト作成手続き:労働者の意見をどう反映するかについて、あらかじめルールを定めておくことが望ましいとされる
- シフトの通知:確定したシフトをいつまでに、どのように通知するかを定めることが望ましいとされる
- シフトの変更:確定後の変更・追加・削減は、労使双方の合意による手続きが必要とされる
- 休業手当との関係:会社都合でのシフト削減の場合、休業手当(平均賃金の60%以上)の支払いが必要となる場合がある
類似用語との違い
「シフト制」と「フレックスタイム制」は、いずれも労働時間に柔軟性を持たせる仕組みですが、性質が異なります。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| シフト制 | 会社が作成する勤務割によって労働日・労働時間が決まる仕組み |
| フレックスタイム制 | 労働者自身が一定の範囲内で始業・終業時刻を決定できる制度(労使協定等の要件を満たす必要がある) |
人事労務上のメリット
- 繁閑に応じた柔軟な人員配置が可能になる
- シフト作成・変更のルールを明文化することで、労使間のトラブルを予防できる
- 労働者にとっても、シフトの見通しが立てやすくなり、生活設計への配慮につながる
実務上の課題・注意点
労働契約書に「シフトによる」とだけ記載し、具体的な労働時間のパターンを示していない場合、労働条件明示義務の観点から不十分と指摘される可能性があります。また、確定していたシフトを会社都合で一方的に削減すると、休業手当の支払い義務が生じる場合があるため、シフトの変更には労使双方の合意手続きを設けることが重要です。
中小企業における活用方法
店舗ごとに店長がシフトを作成している中小企業では、全店舗共通のシフト作成・通知・変更ルールのひな形を整備することで、店舗間のばらつきとトラブルを防ぎやすくなります。あわせて、無期転換した従業員のシフト量を合理的な理由なく減らさないよう留意することも重要です。
導入・対応手順
- 労働契約書・労働条件通知書の始業・終業時刻の記載を見直す
- シフトの作成・通知・変更に関するルールを明文化する
- 会社都合でシフトを削減する場合の休業手当の判断基準を整理する
- 店舗責任者・シフト作成担当者へルールを周知する
確認チェックリスト
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約書の記載 | 始業・終業時刻を可能な限り具体的に示しているか |
| シフト変更手続き | 労使双方の合意手続きを定めているか |
| 休業手当の判断 | 会社都合でのシフト削減時の判断基準を整理しているか |
よくある質問
シフト制は法律上の雇用形態の一種ですか。
シフト制自体は特定の法律上の雇用形態を指す用語ではなく、勤務管理の方法を指す一般的な呼び方です。パート・有期雇用労働者、正社員のいずれにも用いられる場合があります。
確定したシフトはどのような場合に変更できますか。
あらかじめ定めた手続きに沿って、労使双方の合意により変更することが求められます。一方的な変更はトラブルの原因となるため注意が必要です。
まとめ
シフト制とは、勤務割によって労働日・労働時間が決まる勤務形態であり、厚生労働省の留意事項が2026年6月19日に改正されています。シフト制勤務者を雇用する中小企業は、労働契約書の記載、シフトの作成・変更・通知のルール、休業手当の判断基準を確認することが重要です。
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本記事の情報確認日:2026年9月18日
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