副業・兼業の労働時間通算ルールとは?【企業が負う義務と実務的な管理手法】
【原則】労働基準法第38条により、労働者が複数の事業場で働く場合、それらの労働時間は「通算」して管理しなければなりません。社員が自社での勤務後に他社で副業をする場合、合計が 法定労働時間(週40時間)を超えた分については、原則として「後から雇用契約を結んだ企業」が 割増賃金(残業代) を支払う義務を負います。
副業・兼業 の解禁が進む中、この通算ルールは管理の複雑化を招いています。2020年に新設された「簡便な管理モデル」を中心に、実務のポイントを整理します。
企業の義務:健康管理と割増賃金の支払い
企業には、自社での労働時間だけでなく副業先での時間も把握し、過重労働を未然に防ぐ 安全配慮義務 があります。通算した時間が1ヶ月100時間以上や平均80時間を超える場合は、36協定 の遵守だけでなく、健康診断の実施などの措置が必要です。
実務を効率化する「管理モデル」の選択
労働時間の把握が煩雑な場合、以下の「管理モデル」を導入することで管理を簡素化できます。
- 自社での労働時間上限設定: 自社と他社それぞれの労働時間をあらかじめ「〇〇時間」と枠を決めておき、その枠内であれば個別の確認を不要とする仕組みです。
- 申告に基づく管理: 社員に副業先の労働時間を定期的に申告させ、自社の勤怠データと紐付ける運用です。
トラブルを防ぐための就業規則の整備
「副業先で何時間働いているか不明」という状態を放置することは、予期せぬ割増賃金請求のリスクに繋がります。以下の対策が有効です。
- 届出・許可制の維持: 副業の内容と時間を事前に届け出させる運用を徹底します。
- 労働時間の自己申告義務: 毎月の勤怠と合わせて、副業先での実績時間を申告させるルールを 就業規則 に明記します。
- 健康状態のモニタリング: 副業によって自社の業務に支障が出ている場合、副業を制限・禁止できる法的根拠を整備します。
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