再雇用制度の賃金・評価制度はどう設計すべき?

人事労務に関するFAQ

再雇用制度の賃金・評価制度はどう設計すべき?【高齢者の経験を活かす制度設計のポイント】

【結論】再雇用制度(高齢者雇用)の制度設計では、「①役割の明確化(現役時代との線引き)」「②職務・職責に応じた賃金への移行」「③健康・能力に応じた評価基準」の3点が重要です。特に賃金は、同一労働同一賃金の原則を踏まえつつ、職務内容に基づいた合理的な設定が求められます。

法改正により、高齢者雇用の義務化が進む中、再雇用社員の能力を最大限に活かし、意欲を維持するための人事制度設計が急務です。具体的な賃金・評価制度の設計ポイントと法的留意点を解説します。


再雇用制度の賃金制度設計における3つのポイント

ポイント1: 現役時代からの役割・職責の明確な変更

再雇用時の賃金は、現役時代よりも低くなるケースが一般的ですが、単なる年齢による減額は同一労働同一賃金違反のリスクがあります。

  • 職務の線引き: 現役時代と比較して、管理職責任、残業、異動の有無、成果目標など、職務内容や職責がどのように変わるかを明確に規定します。
  • 賃金体系の切り替え: 現役時代の「職能給・年齢給」から、再雇用後の「職務給」や時間給をベースとした賃金体系へ移行します。

ポイント2: 賃金水準と手当の合理的な設定

再雇用社員の賃金水準は、「職務内容」に基づき、客観的に合理性があるかを検討します。

  • 手当の見直し: 役職手当や家族手当など、現役時代の役割に基づく手当は原則廃止し、再雇用後の役割に必要な手当のみを支給します。
  • 社会保険料との兼ね合い: 賃金設計の際、社会保険料(特に在職老齢年金)との関係を考慮し、社員にとって最も有利になる賃金カーブを提案することが重要です。

ポイント3: 評価制度は「能力維持・貢献度」を軸にシンプルに

再雇用社員の評価制度は、現役時代のような高い成長目標ではなく、能力の維持や経験・ノウハウの伝承といった側面に焦点を当てます。

  • 評価軸: 「業務遂行能力の維持」「若手への技術・ノウハウの継承」「健康状態の自己管理」といった項目を中心に評価します。
  • フィードバック: 定期的な面談を通じて、再雇用社員の健康状態や働き方の希望を丁寧に聞き取り、モチベーション維持に努めます。

\高齢者の経験を活かし、法的リスクを回避する再雇用制度設計を/

再雇用制度の賃金・評価設計は、同一労働同一賃金原則への対応が不可欠です。専門的な知識に基づき、貴社にとって最適な制度設計と円滑な移行手続きをサポートします。

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