社内公募制度やインターナルモビリティを導入する際の人事制度設計は?
【結論】社内公募制度(インターナルモビリティ)の導入成功は、「①上司の『囲い込み』を防ぐための評価制度の連動」「②社員の自律的なキャリア形成(キャリア自律)の促進」「③選考の公平性の確保」の3点にかかっています。制度設計の際、異動先の決定権限を人事部門に集中させ、社員に成長機会を与える仕組みを作ることが、定着率向上に直結します。
外部採用に頼らず、既存社員のモチベーションと定着率を高めるためのインターナルモビリティの設計方法と、部門間の壁を越えるための具体的なルールを解説します。
導入を成功させるための3つの設計ルール
ルール1: 「囲い込み」防止のための評価連動
社員が応募しても、現所属の上司が拒否権を持つと、優秀な社員ほど移動できず、不満から離職してしまいます。これを防ぐため、以下の制度設計が必要です。
- 上司の拒否権の制限: 原則として、社員の希望を尊重し、上司の承認は形式的なものとする(最終決定権は人事・経営層に置く)。
- 人材輩出の評価: マネージャーの評価項目に「管轄から異動した社員数」や「社員のキャリア自律支援度」を組み込み、人材を送り出すことを評価します。
ルール2: 応募資格の明確化と選考の公平性
- 応募資格: 応募可能な勤続年数や、直近の評価結果(例:直近1年は期待以上の評価であること)を明確に定めます。
- 公平な選考: 異動先の部門長が選考を行う際、評価者向けの選考バイアス排除研修を実施し、公平な判断を担保します。
ルール3: キャリア自律を促す情報提供
社員が「次に何をしたいか」を判断できるよう、社内の空きポジション情報(ジョブディスクリプション)を透明性高く公開します。
\社内人材の活性化と定着率向上を実現しませんか?/
社内公募制度の設計、タレントマネジメントシステムの導入、キャリア自律を促す人事制度への改定を通じて、人材が循環し成長する組織づくりを支援します。

