目標管理制度(MBO)を「昇給」ではなく「育成」に特化させる運用方法は?
【結論】MBOを昇給・報酬決定から切り離し、「育成」に特化させる運用は、社員のモチベーション低下を防ぎ、より高い挑戦を促す上で有効です。運用を成功させるためには、「①目標達成度と報酬決定を連動させない」「②目標設定に「行動目標(コンピテンシー)」の比重を高める」「③1on1でのフィードバックを徹底し、目標達成のプロセスに焦点を当てる」の3点が必須です。
MBOが形骸化する最大の原因である「評価のためのツール化」を避け、社員の自律的な成長と育成にMBOを活用するための具体的な運用方法を解説します。
育成特化型MBOのメリットと設計変更
メリット: 「低い目標設定」の解消
昇給が目標達成度と直結しないため、社員は低い目標を設定する動機がなくなり、ストレッチゴール(挑戦的な目標)を設定するようになります。
設計変更1: 報酬連動性の分離
報酬の決定を、MBOの達成度ではなく、コンピテンシー評価やスキル評価、市場価値といった別の評価軸に依存させます。MBOはあくまで「目標設定」と「プロセス評価」のためのツールと位置づけます。
設計変更2: 目標の質を「育成」にシフト
目標設定を「売上〇〇円達成(結果)」だけでなく、「〇〇という知識・スキルを習得する(学習)」や「〇〇という行動特性を発揮する(行動)」といった能力開発につながる項目の比重を高めます。
運用を成功させるための実践的ノウハウ
ノウハウ1: プロセス評価への重点化
評価基準を、目標達成に至るまでの「行動(プロセス)」に焦点を当てます。上司は、結果が未達成でも、プロセスが正しかったか、目標達成のために主体的に行動したかを評価し、フィードバックします。
ノウハウ2: リアルタイムフィードバックの徹底
目標達成度を評価時期にまとめて指摘するのではなく、週次や月次の1on1ミーティングで進捗確認とフィードバックを行います。これにより、MBOを単なる「提出書類」から「日常的な対話ツール」に変えます。
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