コンピテンシー評価(行動評価)を設計する際、失敗しないためのポイントは?

人事労務に関するFAQ

コンピテンシー評価(行動評価)を設計する際、失敗しないためのポイントは?

【結論】コンピテンシー評価(行動評価)の設計で失敗しないためのポイントは、「①評価項目をトップタレントの行動から抽出し、自社に合ったものにする」「②評価尺度(行動アンカー)を具体的な行動事例で定義する」「③MBO(成果)とコンピテンシー(行動)を連動させるハイブリッド型にする」の3点です。抽象的な項目や、理想論に基づいた設計は、評価のバラつきを生み、形骸化の原因となります。

評価の客観性と育成効果を高めるコンピテンシー評価の導入は、中小企業にとって大きなメリットがありますが、設計ミスを避けるための手順と実務的なノウハウを解説します。


失敗につながる評価項目の特徴(抽象的評価の罠)

失敗例1: 抽象的な精神論

「責任感」「協調性」「熱意」など、抽象的で測定不可能な項目は、評価者の主観や印象(ハロー効果)に頼る結果となり、評価のバラつきを生みます。

失敗例2: 結果論に過ぎる評価

「目標達成できたかどうか」という結果だけを評価するMBO評価に終始し、「どのように達成したか」というコンピテンシーの側面が評価されない場合、社員は「行動を変える必要がない」と判断し、育成効果が薄れます。


設計を成功させるための3つのポイント

ポイント1: 行動アンカー(評価尺度)の徹底定義

コンピテンシー(例:問題解決能力)を5段階で評価する場合、各段階を「〇〇という行動をしたか/しなかったか」という具体的な行動事実で定義します。

  • 評価尺度: 抽象的な「積極的」ではなく、「上司の指示を待たず、自ら3つの解決策を提案した」と記述します。

ポイント2: ハイブリッド評価の導入

評価全体を「成果(MBO):50%」と「行動(コンピテンシー):50%」などとバランスを取り、両側面から評価することで、社員の納得感を高めます。

ポイント3: 評価者へのトレーニングの徹底

評価者(マネージャー)が、行動アンカーに基づき、社員の日常行動を観察・記録し、客観的に評価するための研修(評価者トレーニング)を定期的に実施します。これが最も重要な成功要因です。

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