職務給・職能給

職務給・職能給とは?【賃金制度設計の基礎となる給与体系の違い】

【定義】職務給とは、社員が担当する「職務の価値」や「仕事の難易度」に対して支払われる給与です。一方、職能給とは、社員が持つ「能力」や「スキルレベル」に対して支払われる給与です。この2つは、日本の賃金制度設計の基礎となる、異なる給与体系の考え方です。

自社の賃金制度を設計・見直しする際、このどちらをベースにするかによって、人件費の構造や社員のモチベーションの方向性が大きく変わります。それぞれの特徴と中小企業での活用法を解説します。


職務給と職能給の詳細な比較と特徴

職務給はジョブ型雇用と、職能給はメンバーシップ型雇用と親和性が高いとされています。

項目 職務給 職能給
給与の根拠 仕事(職務)そのものの価値 人(社員)が持つ能力・スキルレベル
昇給の基準 職務の難易度や範囲が変わった時 社内の能力等級が上がった時
メリット 賃金決定の透明性が高い、人件費の管理が容易 配置転換が容易、社員の能力開発意欲が高い
デメリット 職務記述書の作成が煩雑、異動が難しい 賃金が上がりやすく、人件費高騰リスクがある

中小企業における「職務給」と「職能給」の活用法

中小企業の課題と対応

日本の多くの中小企業は、長年の雇用慣行により、職能給の要素(能力給)が強い賃金制度を採用しています。しかし、これが人件費高騰や若手の不満につながっているケースが少なくありません。

推奨されるハイブリッド型

中小企業では、柔軟な配置転換(メンバーシップ型)を残しつつ、透明性と人件費の最適化(ジョブ型)を図るため、両者のメリットを組み合わせたハイブリッド型の賃金制度が推奨されます。

  • 基本給: 職務給(職務の価値)をベースとし、透明性を確保する。
  • 能力加算: 職能給(保有スキル)や情意評価を一部加算し、社員の能力開発意欲と組織の柔軟性を確保する。

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この記事を書いた人

中小企業の経営者に向けて、人事制度に関する役立つ記事を発信しています。

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