【製造業】現場主導の「改善活動」を評価に直結|多品種・変動対応に強い組織への変革 | 人事評価制度
導入前の課題
450名規模の製造現場において、品質(Q)・納期(D)・原価(C)への要求が厳しさを増す一方、人事評価が「作業量」に偏っていることが大きな課題でした。現場で「ムダ取り」や「改善」を行っても正当に報われないため、現場の自発性が失われ、生産性が停滞。また、リーダーの役割が曖昧で育成が属人化しており、多品種少量生産や急な需要変動に対応できる「強い現場」への脱却が求められていました。
HRCの施策
現場主導の持続的な改善サイクルを確立するため、技能の習熟と改善・指導能力を分けた評価体系を構築しました。
- 改善成果の評価反映
「標準化・ムダ取り・品質作り込み」を等級定義に明記し、活動成果を昇給・賞与に直結させました。 - 評価項目の分離設計
専門的な「技能・工程理解(職務評価)」と、周囲を巻き込む「改善・指導力(行動評価)」を切り分け、目指すべき姿を明確化。 - 多能工化の促進
複数の工程をカバーできる能力(多能工)を賃金テーブルに反映し、組織の柔軟性を高める仕組みを導入。
面談運用まで徹底支援し、現場の「気づき」を経営に活かす仕組みを整えました。
成果・ポイント
この変革により、現場の意識と組織力に劇的な変化が生まれました。
企業側にとっては、現場からの改善提案数が倍増し、工程のムダが削減されたことで、製造コストの低減とリードタイム短縮に直結しました。リーダーの役割が明確になったことで、次世代の現場責任者が計画的に育つ土壌が整い、需要変動に強い盤石な生産体制を確立できました。
従業員側にとっては、「現場の創意工夫」が正当に評価されるようになり、モチベーションが飛躍的に向上しました。多能工化が昇給に反映されることで、自発的にスキルアップに励む職員が増え、単なる「作業者」から「現場を支える改善のプロ」としての誇りを持って働ける環境へと進化しました。
コンサルティングポイント
不良を出さない「仕組み作り」を評価に落とし込む
単なる作業効率の向上だけでなく、「不良を未然に防ぐ改善」や「標準化への貢献」を評価項目に採用。個人の技能に依存しない、品質の安定とコスト削減を両立させるための評価基準を構築します。
「技能」と「改善・指導」を分けたキャリア形成
職人としての「匠の技」と、チームを動かす「改善・管理能力」を別軸で評価。それぞれの専門性を尊重したパスを示すことで、属人化を防ぎ、組織全体のボトムアップと技術承継を同時に実現します。
多能工化を賃金に反映し、育成投資を確実に回収
複数工程を担える「多能工」の価値を賃金カーブに反映。一人の職員が多様な役割を担うことで現場の稼働率を最大化し、教育コストを生産性向上によって確実に回収する持続可能な仕組みを提案します。
製造現場の改革をお考えの経営者様へ
「現場の改善が進まない」「技能伝承がうまくいかない」といった製造業特有の課題は、評価制度の再構築で解決できます。作業の量だけでなく、質や改善への貢献を正当に評価することで、現場は自律的に動き出します。ヒューマンリソースコンサルタントは、貴社の生産方式や現場の実情に合わせた実践的な制度設計を支援します。強い現場を取り戻すために、ぜひご相談ください。
連載:製造業の現場を変える人事戦略
熟練技術者の引退に伴う技能伝承の停滞や、若手の定着率低下にお悩みの製造業経営者様へ。本特集では、現場の「技」を正当に評価し、多能工化と生産性向上を同時に実現する人事制度の構築法を解説します。年功序列を脱し、技術力が報われる仕組みをどう作るか。現場の納得感を最優先にした、実効性のある制度設計と運用の要諦を、豊富な事例と共に連載形式でお届けします。
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