【2026年1月】春闘方針決定!中小企業の「賃上げ目安」と社保拡大ロードマップなど5選

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【2026年1月】春闘方針決定!中小企業の「賃上げ目安」と社保拡大ロードマップなど5選

2026年がスタートし、早くも半月が経過しました。能登半島地震からの復興支援が続く中、経済界では春闘(春季生活闘争)が事実上のスタートを切り、政府からは社会保険の適用拡大に関する具体的な期限案が示されるなど、人事労務分野は新年早々から大きな動きを見せています。

この記事では、2026年1月1日から15日までに公表されたニュースの中から、特に中小企業の経営者・人事担当者が押さえておくべき「最新の実務トレンド」を5つ厳選して解説します。

この記事でわかること

  • 経団連・連合が方針発表。「2026年春闘」における中小企業の賃上げ目安と要求水準。
  • 厚生労働省が素案提示。「社会保険の企業規模要件撤廃」のXデーはいつになるか。
  • 研究会報告書が公表。「14日連続休暇」の法制化に向けた議論の現在地。
  • 倒産件数が過去最多。「人手不足倒産」の実態と、選ばれる企業の条件。
  • フリーランス新法の余波。「業務委託トラブル」の相談急増と公取委の注意喚起。

目次

1. 2026年春闘スタート、中小企業にも「5%以上」の賃上げ圧力

  • 公表日時: 2026年1月14日 (経団連・連合 方針発表)
  • ニュース概要の抜粋:

    経団連と連合はそれぞれ、2026年春闘に向けた基本方針を決定・公表しました。連合は「5%以上」の賃上げ目標を掲げ、特に中小企業の底上げ(格差是正)を最優先課題としています。経団連側も「構造的な賃金引き上げ」の継続を会員企業に呼びかけており、物価上昇を上回る賃上げが2年連続で求められる展開となりました。

    特に今年は、大企業だけでなく、サプライチェーン全体での「労務費の価格転嫁」が強く意識されており、中小企業が原資を確保できるかが焦点となります。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1: 「防衛的賃上げ」の予算確保
      • 解説: 「利益が出たら上げる」というスタンスでは、人材流出は止まりません。近隣の最低賃金や同業他社の動向を見据え、少なくとも物価上昇分(2〜3%程度)プラスアルファの原資を、年初の予算に組み込む「防衛的賃上げ」が不可欠です。
    • ポイント2: 価格転嫁交渉の「根拠」作り
      • 解説: 賃上げ原資を確保するには、売上アップ(単価アップ)が必要です。1月〜3月は、取引先に対して「4月からの労務費上昇分」を価格に転嫁してもらうための交渉の正念場です。公的資料(労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針など)を武器に、具体的な数字で交渉しましょう。
    • ポイント3: 評価制度との連動
      • 解説: 一律ベア(ベースアップ)が難しい場合は、若手層やハイパフォーマーへの重点配分を検討してください。「頑張れば給料が上がる」というメッセージを出すことが、組織の士気維持につながります。

2. 社会保険適用拡大、2028年度目処に「全企業」へ拡大案

  • 公表日時: 2026年1月8日 (社会保障審議会 年金部会)
  • ニュース概要の抜粋:

    厚生労働省の審議会において、短時間労働者(パート・アルバイト)への社会保険適用拡大に関するロードマップの素案が示されました。現在は「従業員51人以上」の企業が対象ですが、これを2028年度(令和10年度)を目処に企業規模要件を撤廃し、全事業所を対象とする方向で調整に入りました。

    これにより、数名の従業員を抱える小規模事業者であっても、週20時間以上働くスタッフは社会保険加入が必須となる未来が現実味を帯びてきました。経過措置や激変緩和措置も議論されていますが、方向性は「全適用」で確定です。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1: 「Xデー」に向けた中長期計画
      • 解説: 「2028年度」という具体的なターゲットイヤーが見えました。あと2〜3年の猶予期間に、法定福利費の増加に耐えられる収益構造を作れるかどうかが、小規模企業の存続条件となります。
    • ポイント2: パート社員への「働き方」アンケート
      • 解説: 制度変更直前になって慌てないよう、今のうちからパート社員に「扶養内で働き続けたいか」「社会保険に入って労働時間を延ばしたいか」の意向確認を行っておくことを推奨します。意向に合わせて、人員配置計画を見直す必要があるからです。
    • ポイント3: キャリアアップ助成金の活用
      • 解説: 現行の「社会保険適用時処遇改善コース(年収の壁対策)」は、制度完全移行までの経過措置として重要な役割を果たします。手当支給や労働時間延長で助成金を受け取れる今のうちに、社会保険加入の実績を作っておくのが賢い戦略です。

3. 「14日連続休暇」の法制化、研究会が報告書案を提示

  • 公表日時: 2026年1月10日 (新しい時代の働き方に関する研究会)
  • ニュース概要の抜粋:

    厚生労働省の有識者研究会は、労働基準法改正に向けた報告書案を公表しました。その中で、労働者の心身のリフレッシュと生産性向上を目的として、「年1回、2週間(14日)程度の連続休暇取得」を企業の努力義務(将来的には義務化)とする案が盛り込まれました。

    欧州諸国では一般的なバカンス休暇ですが、日本の中小企業にとっては業務の属人化解消が最大のハードルとなります。併せて「勤務間インターバル制度」の義務化検討も明記され、働き方改革は「第2フェーズ」へ突入しようとしています。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1: 「属人化」が最大のリスクに
      • 解説: 「あの人がいないと仕事が回らない」という状態は、長期休暇制度と相容れません。今回の報告書案は、国として「業務の標準化・マニュアル化」を強力に推し進めるシグナルです。特定の人に依存しない組織作りが急務となります。
    • ポイント2: 計画年休の活用からスタート
      • 解説: いきなり14連休は難しくとも、現行の有給休暇の計画的付与(計画年休)を活用し、「土日+有給3日=5連休」や「9連休」を全社員が取る練習から始めましょう。長期不在時の引き継ぎやチーム連携の訓練になります。
    • ポイント3: 採用ブランディングへの活用
      • 解説: 法制化に先駆けて「リフレッシュ休暇制度」を導入することは、採用市場で強力な武器になります。特にZ世代は「休みやすさ」を重視するため、中小企業こそ差別化戦略として取り組む価値があります。

4. 2025年の企業倒産、「人手不足」関連が過去最多を更新

  • 公表日時: 2026年1月15日 (民間信用調査会社 レポート)
  • ニュース概要の抜粋:

    東京商工リサーチ等が発表した2025年の全国企業倒産集計によると、倒産件数はバブル崩壊後に迫る高水準となり、中でも「人手不足」を主因とする倒産が過去最多を更新しました。求人難、人件費高騰、従業員の退職による事業継続困難が中小企業を直撃しています。

    特に建設、物流、サービス業での増加が顕著であり、賃上げ競争についていけない企業や、労働環境の改善が遅れている企業から市場退出を余儀なくされている残酷な現実が浮き彫りになりました。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1: 「選ばれる企業」しか生き残れない
      • 解説: 倒産データは「賃金が安い」「休みが少ない」企業から人が去っていることを示しています。採用できないことは、もはや経営リスクそのものです。労働条件の見直しは、コスト削減ではなく「事業継続計画(BCP)」の一部と捉えるべきです。
    • ポイント2: 定着率(リテンション)の重視
      • 解説: 新規採用が困難な今、既存社員の離職を防ぐことが最優先です。1on1ミーティングやエンゲージメントサーベイを活用し、社員の不満の芽を早期に摘む努力を怠らないでください。
    • ポイント3: 省人化投資へのシフト
      • 解説: 人が集まらないことを前提に、DXやロボット導入による「省人化」へ舵を切ることも重要です。中小企業省力化投資補助金などの支援策をフル活用し、少ない人数でも回るビジネスモデルへの転換を急ぎましょう。

5. フリーランス新法の影響、相談件数が急増中

  • 公表日時: 2026年1月12日 (公正取引委員会 注意喚起)
  • ニュース概要の抜粋:

    2024年11月に施行された「フリーランス保護新法」に関し、公正取引委員会は施行後のトラブル相談状況を公表しました。「発注書が交付されない」「一方的に報酬を減額された」といった相談が急増しており、特に発注側(企業)の認識不足による違反が目立ちます。

    公取委は1月を「集中監視期間」と位置づけ、悪質な事例には立ち入り検査を行う構えです。今まで口約束で済ませていた外注取引の慣習は、通用しなくなっています。

  • 中小企業向け・3つのポイントと解説
    • ポイント1: 現場の発注フロー再点検
      • 解説: 経営者が認識していても、現場担当者がLINEや電話で発注していればアウトです。必ず「業務開始前」に条件を明示した書面(メール・PDF可)を送っているか、現場の運用を抜き打ちチェックすることをお勧めします。
    • ポイント2: 支払サイトの確認(60日ルール)
      • 解説: フリーランスへの報酬支払いは「成果物の受領から60日以内」が義務です。「月末締め翌々月末払い」などは違反となる可能性があります。経理部門と連携し、支払いサイトが法適合しているか再確認してください。
    • ポイント3: ハラスメント相談窓口の周知
      • 解説: フリーランスもハラスメント対策の保護対象です。社内のハラスメント相談窓口が、外部委託先(フリーランス)からの相談にも対応できる体制になっているか確認し、契約時に窓口を案内する運用を徹底しましょう。

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