アンコンシャス・バイアスとは?【評価のバラつきやハラスメント防止のための最新対策】
【定義】アンコンシャス・バイアス(Unconscious Bias)とは、誰もが持っている、無意識の思い込みや偏見のことです。過去の経験や文化、メディアの影響などにより形成され、人事評価、採用面接、チーム内コミュニケーションなど、あらゆるビジネスシーンでの公平な意思決定を阻害する要因となります。特に、評価のバラつきや、ハラスメントの温床となる「無意識の差別」を防止する上で、対策が不可欠です。
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進の鍵となる、アンコンシャス・バイアスの具体的な種類と、中小企業が取り組むべき研修・評価制度設計のポイントを解説します。
人事・組織で発生しやすいバイアスの種類
1. 評価・面接におけるバイアス
- ハロー効果(後光効果): 応募者の一つの突出した良い点(例:高学歴)に引きずられ、全体を過剰に高く評価してしまう。
- 確証バイアス: 自分の仮説(例:「彼はやる気がないはずだ」)を裏付ける情報ばかりを無意識に集め、他の客観的事実を無視してしまう。
- 類似性バイアス: 評価者自身と似た属性や経験を持つ社員(例:出身大学が同じ)に対し、無意識に好意的な評価をしてしまう。
2. 組織開発・D&Iにおけるバイアス
「女性はサポート役に向いている」「育児中の社員には重要な仕事を任せられない」といった、性別やライフイベントに基づく思い込みもバイアスの一つです。
中小企業が取るべき対策:研修と制度の連動
対策1: マネージャー層への啓発研修
バイアスの存在を認識させるための研修を実施します。研修は、理論だけでなく、自社の評価事例を用いたワークショップ形式で行い、「自分ごと」として捉えさせることが重要です。
対策2: 評価制度からのバイアス排除
- 行動評価への移行: 抽象的な「意欲」「姿勢」といった評価項目を減らし、「〇〇を達成した」「〇〇という行動をとった」といった、客観的な行動事実に基づく評価基準(コンピテンシー評価)を導入する。
- 評価調整会議: 複数の評価者が集まり、点数が大きく偏った社員について、評価の根拠を議論する場を設けることで、組織的なバイアスを是正します。
\公正な評価とD&I推進のためのバイアス対策を支援します/
アンコンシャス・バイアス研修の設計、評価制度の見直し、そしてデータに基づいた評価エラーの分析を通じて、貴社の組織の公平性を高めます。

