派遣業向け人事制度構築
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派遣会社が、派遣労働者の待遇を確保するため、労使協定方式を採用した場合に必要となる賃金表等の人事制度を設計、運用することができます。
労使協定方式を満たすために必要なポイント
労使協定方式で定める主な要件は以下のように定められ、すべての要件を満たした制度を設計し、運用しなければなりません。
- 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を協定書に定める
- 賃金の決定方法(ア及びイに該当するものに限る)
ア 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上の賃金額であること
イ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金が改善されること(通勤手当等を除く) - 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価して賃金を決定すること
- 「労使協定の対象とならない待遇(派遣先が行う業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練(法第40条第2項の教育訓練)と給食施設、休憩室及び更衣室(法第40 条第3項の福利厚生施設)及び賃金」を除く待遇の決定方法
(派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労働者を除く)との間で不合理な相違がないものに限る) - 派遣労働者に対して段階的・体系的な教育訓練を実施すること
制度設計のポイント
1.賃金表は、国の公表する勤続年数基準と職務遂行能力を対比させなければならない
国が定める平均水準はどの職種においても勤続年数による設定となっており、勤続年数に応じて時給水準が上昇する仕組みとなっている。
そこで、勤続年数を職務遂行能力に置換え、対比することのできる状態としなければならない。
2.賃金を改善させる仕組みを明確に定めなければならない
労使協定方式では、同一ランク内でも職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上が認められた場合、昇給させる仕組みとなっている。
そこで、向上が認められる状態を客観的に把握し、昇給へ反映することのできる制度としなければならない。
3.成果・意欲・能力等を、多面的に評価する資料を整備する
職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価し、その向上の度合いを客観的に把握することが求められる仕組みとなっている。
そこで、仕事の内容や能力、勤務態度などを対象とした評価表や、経験年数及び勤務実態などを含んだ昇格要件を整備しなければならない。
4.スタッフのキャリアアップを実現する仕組みを整備する
派遣スタッフに対しても正社員と同様に、段階的・体系的な教育訓練計画を作成し、実施することが求められる仕組みとなっている。
そこで、各派遣職種に合わせた階層別、職能別教育計画を作成し、人事制度に盛り込まなければならない。
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制度設計の流れ
同⼀労働同⼀賃⾦への対応法は「派遣先均等・均衡⽅式」と「労使協定⽅式」の2通りがあります。
派遣先企業への個別対応が必要となる「派遣先均等・均衡⽅式」の採⽤は現実的に難しいため、多くの派遣会社では「労使協定⽅式」が採⽤されると思われます。
賃金決定基準となる「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額」では、勤続年数ごとに時給額が表示されています。派遣版人事パックでは、各年数で求める職務の内容や成果を定義づけする仕組みとし、キャリアステージ(制度等級制度)を設けています。
ここでキャリア定義の明確化とキャリアアップルールの明確化を行います。
労使協定方式で求められる評価要件を満たした評価シートを作成し、それに連動したキャリア面談用シートを作成します。
評価シートと連動したキャリア面談シートを作成することで、労使協定方式で求められる職務内容の向上を客観的に評価することが可能となります。
基本給および賞与を対象とし、職種ごとに地域別基本給表を作成します。
労使協定方式を採用する人事パックでは、
・職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額
・平成30年度職業安定業務統計による地域指数
の2点から派遣対象職種別に派遣都道府県の金額を決定する方式を採用しています。
キャリア制度・評価制度・賃金制度に関する決定事項をとりまとめ、概要説明書を作成します。
ExcelおよびWord形式なので、内容の変更や編集など、自社で自由に行うことが可能です。
完成する資料

概要説明書
・キャリアステージ定義書について
・キャリアステージの運⽤基準
キャリアアップルールについて
・評価制度の運⽤基準/ルールについて
・賃⾦制度の運⽤基準/ルールについて

評価シート関連
・キャリアステージ別評価シート
・評価シートと連動したキャリア⾯談シート

賃金資料
・キャリアステージ別賃⾦表
・職種別モデル賃⾦表
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サービス料金
標準価格
70万円(税込)
5職種以下 / 社員30名以下
追加料金
6万円(税込)
1職種当たり
制度設計は打合せ9回程度、最短3か月で行えます。1回当りの打合せ時間は2時間程度となります。
コンサルティング開始前に設計スケジュールを作成し、スケジュールに沿って進めていくこととなります。
よくある質問
- 「労使協定方式で求められる評価要件を満たした評価シート」について、派遣スタッフの評価は具体的にどのように行いますか?
-
「派遣先にも評価に参加してもらう」ことにより適正な評価を実現するために、制度上は派遣先も評価者としています。基本的な流れは「本人→派遣先→コーディネーター→会社最終決定」となります。ただし、派遣先については対応が難しいことも想定されますので「派遣先へコーディネーターがヒアリングをして評価の代わりとする」といった位置づけにしています。
- 評価項目について、どのような評価項目ですか?評価項目の大分類や項目数、何段階評価か知りたいです。
-
労使協定方式で求められる要件として「派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に賃金が改善」とありますので、評価項目の大分類は以下のとおりです。
・職務評価(3項目/10段階評価)
具体的には担当業務の習熟レベルと業務ボリュームを対象としています。
※詳細な職務評価は困難なため、スタッフ本人の記述ベースの評価を採用しています。・勤務評価(5項目/4段階評価)
日頃の勤務態度や勤務ぶり、組織人としての基本、職務遂行能力といった項目を等級別に設定しています。 - 項目内容は職種ごとや年数(キャリアステージ)ごとに見本がありますか?
-
職種別に詳細な評価項目を設定すると評価が難しいため、職種別の評価項目設定はしていません。基本的には等級(階層)別に勤務評価の項目を選択していただき、その着眼点を編集していただくことで自社独自の評価シートを作成していただきます。見本を購入するのではなく、Web上で評価項目の選択、着眼点の編集を行い資料作成等の作業は当社にて対応しています。
- 評価期間・査定期間は自由に設定できますか?もしくは推奨はありますか?
-
基本的には全て御社の考え方に合わせて設定が可能です。派遣スタッフ向けサービスを利用された会社では1年に1回の評価を採用されることが多いです。
- 処遇(時給など)への反映方法はどのようになりますか?
-
昇給については2つの考え方が選択可能です。
1)等級(階層)が変化しないと処遇(時給等)が変わらない
評価結果と勤務実績、教育カリキュラムの受講履歴、会社の承認を踏まえ「昇格=昇給」と設定されることが多いと思います。2)同一等級(階層)内で年度評価に応じて処遇(時給等)が変化する
評価結果に応じて昇給を行いますが、本サービスを利用された会社では2)を選択された実績は現時点で0社となっています。
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HRCの派遣業向け人事制度構築コンサルティングサービス
しっかりとクライアントの課題をヒアリング
派遣職種や地域、教育計画の有無などの現状や、労使協定方式で決めなければならない時給設計、手当の設定などの要望をヒアリング。
どのような制度設計とするのが最適な解決策となるのか、現状を把握します。

要望を整理し、解決策となる人事制度を提案します
労使協定方式で定められた要件をクリアし、要望を最大限に取り入れた人事制度の設計、運用に関する提案をします。

人事制度作りに着手
制度設計に着手する時に新制度の導入時期や設計期間の取組みスケジュール、完成する各種人事資料のサンプルを提示するので、ゴールをイメージしながら制度設計に取組むことができます。

お問い合わせ
派遣業向け人事制度構築コンサルティングサービスへのお問い合わせは下のフォームからご連絡ください。
ご相談の内容を確認した上で1~3営業日程度で担当者からメールまたは電話でご連絡いたします。
(土日祝日・年末年始・GW・夏季休暇期間は休み明け以降のご連絡になります)
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