人事評価制度-2
前回の 人事評価制度-1 では、制度の構成要素と目的を説明しました。
この記事で述べるのは、人事評価制度の基本的な3つの評価対象についてです。
業績(成果)評価
業績(成果)評価とは、社員の発揮した能力や成果を一定期間内に評価する方法のことです。
具体的には、業績や目標への達成度(時にそのプロセスも)について評価します。
業績や目標への達成度は、客観的に数値化して把握します。その他の数値化しにくいプロセスについては、上司や同僚、部下らからヒアリングして数値化するのが有益です。
有用な実施方法:「目標管理制度(MBO)」
能力(職務)評価
能力(職務)評価は、業務上求められるスキルや知識などの保有状況で社員を判断します。
業績評価と違い数値化ができないので評価が容易でなく、多くはその企業独自に作成した、等級毎に定められた評価ルールに従って評価することになります。
評価されるポイントは特に難易度の高い仕事やイレギュラー対応の結果であり、また、能力があったとしても、仕事上で発揮されなかったものは評価の対象となりません。
有用な実施方法:「コンピテンシー評価」
行動評価
社員の勤務態度や意欲などから評価するもので「情意評価」「態度評価」とも表現します。
具体的には
・組織内ルールを遵守しているか
・責任を持って業務にあたっているか
・チーム内で協力する姿勢を持っているか
などが評価の対象となります。
行動評価は業績評価・能力評価と比較して具体性・客観性に欠けるため、定量的な評価が難しく、人事評価エラーも起きやすい特徴があります。評価者の独りよがりの評価結果とならないように、同僚や部下等の上司以外の関係者の意見も集め、公平な評価に努める意識を持ち続ける必要があります。
有用な実施方法:「360度評価」
(人事評価制度-3に続く)
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